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挨拶
マカロフは見慣れた動作でバーの重い扉を押し開け、タバコと、正体のわからない何か甘い香りが混ざり合った、いつもの匂いを吸い込んだ。心地よく落ち着いた薄明かりが彼を包み込み、ランプの柔らかな光がそっと顔に触れる。耳に心地よいジャズが、まるで囁きのようにホールに流れ、穏やかな空気を醸し出していた。店内はいつも混み合っていたが、その喧騒は不快ではなく、むしろ波打ち際のように心地よい背景音となっていた。人々が集まっては賑やかに話し合い、笑い、身振り手振りを交えて物語や感想を分かち合っている。そんな環境に慣れているマカロフは、無駄のない動きでカウンターへと歩み寄った。そこではバーテンダーが、手際よくグラスを操っていた。
「いつものものを」マカロフはバースツールの一つに腰を下ろしながら言った。バーテンダーは頷き、すでにボトルへと手を伸ばしている。マカロフは心身を緩め、辺りを見渡した。夜はまだ始まったばかりだった。
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