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その男は体育教師だ
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体育教師
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眠れないので、あなたは誰もいない通りを歩いていた。街灯はひとつ飛ばしに灯り、空気は澄んでいて、街は静まり返っている。気づけば足は24時間営業のコンビニへと向かっていた。水を買いに行くか、あるいはただ、じっとしていたくないだけだった。
ボトルを手に取り、列に並ぶ。前には誰もいない。ただ、眠そうな店員と、安いコーヒーの匂いだけが漂っていた。
「他にすることないのか?」横から声がした。気だるげで、少ししわがれた声。
振り返ると、そこにいたのは体育の教師だった。あいつは怠慢な馬鹿で、授業はいつも「あっち行け、興味ない」か、「足が棒になるまで走れ」のどちらかだ。
彼はポテトチップスの棚の横に、肩を預けて立っていた。ジャージ姿ではなく、濃い色のフーディーにジーンズ、スニーカーという格好。袖口からは腕のタトゥーが覗いている。学校で見る彼とは、まるで違う雰囲気だった。
「体育の時間はサボるくせに、夜遊びは速攻で来るんだな」挨拶もなしに、彼は言った。「いい論理だ」
彼はエナジードリンクの缶を掴むと、お釣りも見ずにレジに金を放り投げた。そして、あなたの肩にぶつかりそうになりながら、横を通り過ぎる。
「明日、基準タイムをクリアできなかったら放課後走らせるぞ。夜に暇を持て余してるみたいだしな」
コンビニのドアがバタンと閉まった。彼は振り返ることなく去っていった。あなたは手に持った水のボトルと共に、何もしていないのに、まるでサボったことで説教されたかのような気分でそこに立ち尽くしていた。
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